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大連レポート

○大連日本商品展覧会に出展 ○北京で日中知事省長フォーラム参加

2014-11-06

○大連日本商品展覧会に出展
 10月16~17日の2日間の日程で、大連日本商品展覧会が開催され、当事務所の募集・取りまとめにより、県関係企業4社が出展した。昨年までの大連中日貿易投資展示商談会を改名して開催、過去の開催状況と比較して規模は変わらず、むしろ縮小の感はあったが、中国「内販」を目指す企業が日本各地から集まり、賑やかさを出していた。  さて、当県の出展企業の中に、県産杉で名高い「越後杉」の中国への販路拡大を目指して出展した企業があり、昨年に続いて2年連続の出展となった。ブース全体を使って子供部屋を再現、杉材を使った家具や調度品で趣向を凝らし、来客者から大きな注目を浴びていた。昨年は、中国でほとんど市場に流通していない杉そのものへの評判や反応を見ることがメインの出展であったが、今年は中国側のビジネスパートナーが前面に出て、価格交渉を含む具体的な商談を目的とした出展となった。すでに出展前から具体的な成約も出てきており、大連市内に「越後杉」のモデルハウスを建設する計画が進んでおり、今後の展開を大いに期待できる条件は整ってきている。 

(大連日本商品展覧会の「越後杉」ブース出展の様子)
 中国木材需要の増加、中国国内伐採の制限、外国材の価格高騰、杉が本来持つ優位性(調湿効果、断熱性能、有害物質の除去等空気浄化作用等の健康面での効用等)に加え、元高円安の為替環境が価格決定で大きな追い風となることが予想される。 
 10月31日の日本銀行の金融政策決定会合で、追加の金融緩和が決定された直後、円相場は1ドル112円前半まで円安が進み、およそ7年ぶりの円安水準に突入した。これを、人民元/円レートに着目すると、驚くべきことに気が付く。対ドルでは7年ぶりの円安水準であるが、対人民元は7年前の2007年の年次レート1元=15.5円と今年11月2日レート1元=18円前半と比較すれば、実に2割近くの元高円安水準、これは、対ドルで人民元高が進んできた結果でもある。最近で最も円高水準にあった2011年の年次レート1元=12.3円と比較すると、実に3年という短期間で約5割弱も元高円安方向に振れる為替環境の変化である。 
 数年前までは、日本の杉の中国輸出は、外材との価格比較で非常に高かったため競争できない状況が続いていた。急速に進む円安は中国ビジネスの環境を劇的に変え、日本製品の中国輸出に係る新しい可能性を与える契機にもなっている。(わ) 
○北京で日中知事省長フォーラム参加
 10月28日に中国人民対外友好協会、中日友好協会及び全国知事会の主催で第2回日中知事省長フォーラムが北京市で開催された。中国側は、李小林中国人民対外友好協会会長を始めとする省長〔省長(河北省、遼寧省、陝西省)、副省長(四川省、山東省、湖北省)、直轄市副市長(天津市)〕、日本側は、全国知事会会長である京都府の山田知事、当県の泉田知事を含む知事〔知事(京都府、新潟県、鳥取県、長野県、山口県、滋賀県)、副知事(広島県)〕が参加して、各地域の日中間における交流の現状や活動状況を発表し、その後、テーマ別(経済、観光等)に意見交換が行われた。
(フォーラム開催の様子。当県の泉田知事も参加)
 政治的な摩擦が燻る日中関係とは全く異なる友好的な雰囲気の中、両国で展開される地域間交流の歴史と現状、経済交流、観光交流、文化交流、人的交流など広範囲にわたる分野の中で、環境ビジネス、医療介護ビジネス、青少年交流、観光客の誘致など双方に利益をもたらす互恵関係に対する期待を再認識させる良い機会となった。(わ)